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石田 紀久; 頼経 勉
Nuclear Engineering and Design, 215(1-2), p.51 - 67, 2002/06
被引用回数:110 パーセンタイル:98.41(Nuclear Science & Technology)原研で設計研究を進めている深海調査船(出力750kWt)DRXについて、船体傾斜及び船体運動による熱水力挙動への影響をRETRAN-02/GRAVコードを用いて調べた。深海航行時は傾斜する可能性があり、60度定傾斜した時の挙動を解析した。一次系の流れは自然循環流であるため傾斜時、流動が80%に低下する。炉出力は一旦減少するが、蒸気負荷を一定に保つと、炉心の自己制御性により制御棒操作を必要とせずに約50秒後に傾斜前のレベルに回復する。一方、船体運動の大きさは海面航行時よりはるかに小さいが、挙動を調べるために、0.2gのヒービング、及び60度のローリングを与えた。流量変動及び炉出力変動は周期に依存しており、約5秒~10秒の周期で変動の振巾が大きくなった。これは流れと外力が共振したためと考えられる。これに対して、一次系をガス加圧すると流量及び炉出力の変動が小さく抑えられることが明らかになった。
石田 紀久; 今吉 祥*; 頼経 勉; 布川 浩*; 落合 政昭; 石坂 雄一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(7), p.557 - 570, 2001/07
被引用回数:18 パーセンタイル:74.85(Nuclear Science & Technology)改良舶用炉用に原子炉容器内に設置する制御棒駆動装置(INV-CRDM)を開発した。本装置により、原子炉システムの小型化,簡素化を図ることができるとともに、制御棒飛出事故発生の可能性を排除できる。本制御棒は、一次水中の高温高圧水(310,12MPa)条件下で作動する。駆動力は、水中で作動できるよう開発した同期モータによる。軸のラッチ及びスクラムのためのデラッチは、分割ボールナットを採用したラッチ機構による。駆動軸の位置検出器は、本INV-CRDM用に、ウイーデマン効果を利用し磁歪式細線を採用した検出器を開発し、その誤差が1.2mmであることを確認した。高温水中で作動するスラスト及びラヂアル軸受けを開発した。高温高圧水中下で、ラッチ,保持,スクラム,上下動の機能試験及び耐久試験を実施し、設計条件を満たすことを確認した。
岩村 公道; 落合 政昭
Proceedings of 1st Asian Specialist Meeting of Future Small-Sized LWR Development, p.7_1 - 7_9, 2001/00
原研では、持続可能性,エネルギー利用の多様化等の革新的原子炉の目的を達成するため、2種類の中小型軽水炉の研究開発を実施中である。一つは、受動安全性を具備した低減速スペクトル炉で、炉心は中性子の減速を抑えるためMOX燃料稠密炉心から構成され、電気出力は330MW,運転サイクル26ヶ月,転換比1.01,負のボイド反応度係数,60GWd/tの燃焼度を達成した。もうひとつは地域熱供給や海水脱塩等を目指した分散型小型炉で、改良舶用炉MRXをバージに搭載して熱と電気の供給を行う設計と、需要地の地下に立地して熱供給を行う小型炉の設計を実施した。
高橋 照雄; 島崎 潤也; 中澤 利雄; 藪内 典明; 福原 彬文*; 楠 剛; 落合 政昭
JAERI-Tech 2000-039, p.94 - 0, 2000/03
原子力船研究開発室は、将来の原子力船動力源として軽量・コンパクトで安全性の高い出力100MWtの一体型炉MRXの設計研究を実施し、工学設計を完了した。本一体型炉の設計性能及び運転性能を確認するとともに、一体型炉の運転操作の自動化研究に使用するため、リアルタイムのエンジニアリングシミュレータを開発した。本シミュレータは、原子力船「むつ」の実験航海データにより精度検証された「むつ」シミュレータと同様のモデル化手法を用い開発した。事故事象等のプラント全体の挙動については、安全解析コードによる解析結果と照合し、整合していることを確認した。今後実機の運転結果あるいは実験結果との照合による検証が必要であるが、リアルタイムのエンジニアリングシミュレータとして利用可能である見通しが得られた。
小田野 直光; 石田 紀久
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.584 - 588, 2000/03
日本原子力研究所では、深海科学調査船の動力源として使用する超小型舶用炉DRXの設計研究を進めている。DRXは小型軽量化・系統の簡素化のために、浄化系を設けずに、無浄化で原子炉を約1ヶ月間連続運転する設計である。無浄化運転の成立性を定量的に評価するために、原子運転後に蓄積する放射性腐食生成物量を評価する計算コードCTAM-IIを開発した。CTAM-IIは、原子炉の一次系を燃料被覆管、冷却材、制御棒駆動装置、蒸気発生器伝熱管、配管、炉内構造物、浄化系等のノードに分割し、各ノードにおける放射能、質量バランスに関する連立常微分方程式を解くことで、放射性腐食生成物の蓄積量を評価する。原子力船「むつ」の一次冷却材中放射性核種濃度をCTAM-IIにより計算し、測定値との比較をしたところ、比較的よく一致した。さらに、CTAM-IIによりDRXに対する計算を行い、CTAM-IIの結果を線源項として遮蔽安全性の評価を行った。
小田野 直光; 山路 昭雄*; 石田 紀久
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.78 - 82, 2000/03
経済性及び信頼性向上を目指した次世代型の改良舶用炉として、大型舶用炉原子炉MRXの概念を報告する。MRXは蒸気発生器を原子炉容器内に内蔵する一体型PWRであり、原子炉容器は水を充填した格納容器内に設置されている。MRXでは、格納容器内の水も放射線遮蔽材として有効に活用し、格納容器外側の二次遮蔽体を不要にするという遮蔽設計上の目標に基づいて、格納容器の胴部直径及び肉厚を定めた。さらに、プラントの高さ方向長さを短縮する目的で、蒸気発生器を炉心近傍に設置し、かつ原子炉室外側の機関室を周辺監視区域にすることを設計目標に掲げた。これを可能とさせるよう、炉心槽の板厚を厚くするとともに炉心槽外側と蒸気発生器との間に鋼製遮蔽体を設け、蒸気発生器内二次冷却水の16-N放射化量等を低減させた。その結果、プラントの飛躍的な軽量・小型化が達成された。
井上 彰一郎
船の科学, 51(1), p.68 - 74, 1998/01
原子力船「むつ」の実験航海の成果により、原子力を動力とする船舶の実現性が実証され、船の推進エネルギーとしての原子力の優位性が多々証明された。実験航海終了後の「むつ」の原子炉は、原子炉室一括撤去方式により移送し、保管建屋に安全に保管展示して、一般の見学に供している。改良舶用炉の研究開発は、「むつ」の成果を活用しつつ小型で軽量かつ経済性にも優れた舶用炉の開発を目指し、大型船舶用原子炉(MRX)と深海船用原子炉(DRX)の工学設計研究を新しい安全の概念を採用した一体型炉として、要素技術の実験研究等を行いつつ実施してきた。原子力船を実現するということは、単に海上における動力エネルギーの安定確保のみならず、大量高速輸送への対応や大気汚染防止等地球環境保全の上でも非常に意義があり、深海調査、極地調査等の可能性の拡大にもつながる。
楠 剛; 頼経 勉; 石田 紀久
日本原子力学会誌, 40(2), p.135 - 143, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.03(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所が設計研究を進めている改良舶用炉MRXは、小型一体型炉であり、冷却材喪失事故に対する工学的安全施設として受動的安全機能を有する水張格納方式を採用している。本格納容器方式では、冷却材喪失事故時に格納容器圧力が上昇して原子炉容器の圧力と等しくなることで、冷却材の流出を停止させる。水張格納容器の設計では、冷却材喪失事故時の圧力挙動を明らかにしておくことが重要であるが、本設計のように受動的な炉心冠水維持を図った格納容器に関する実験例はない。本報告書では、冷却材喪失事故時の水張格納容器内の熱流動現象を実験的に調べ、格納容器圧力上昇の程度及びそれへの影響因子を明らかにし、格納容器圧力上昇の簡便な予測モデルを検討した結果を述べる。
原子力船研究開発室
JAERI-Tech 97-045, 601 Pages, 1997/10
原子力船「むつ」の研究開発により得られた知見を十分活用しつつ、経済性及び信頼性に優れた改良舶用炉MRXの研究開発を進めた。MRXは砕氷船及び一般商船への搭載を想定した熱出力100MWの改良舶用炉であり、試設計、概念設計の後、平成5年度から4年間工学設計を実施した。本報告書はその成果をとりまとめたものである。設計されたMRXの特徴は次の通りである。(1)1次系機器を原子炉容器に内装する一体型PWRの採用により小型化と大口径配管破断事故及び制御棒飛び出し事故の排除、(2)水張式格納容器の採用による冷却材喪失事故時の受動的炉心冠水維持と格納容器外補助遮蔽の排除、(3)自然循環式受動的安全系による異常時の崩壊熱除去、(4)系統の簡素化、受動的工学安全系、高度自動化等の採用による運転性の向上、等を達成している。
楠 剛; 大久保 哲郎*; 頼経 勉; 安達 雅樹; 石田 紀久
JAERI-Tech 97-046, 56 Pages, 1997/09
水張格納容器及び自然循環方式の崩壊熱除去設備による受動的安全設備を備えた改良舶用炉MRXについて、LOCA解析をRELAP5により行い、格納容器圧力が設計圧力を上回ることなく炉心冠水を維持することが可能な運転範囲を明らかにした。解析では、配管の破断位置、格納容器気相部初期体積等をパラメータとした。その結果、格納容器気相部初期体積は基準値30mを中心に26~36.5mの範囲内に制御する必要があることが示された。また、長期冷却については、RELAP5の計算に加え、簡易計算を行い、非常用崩壊熱除去系統及び非常用格納容器水冷却系統の性能が、炉心冠水維持と格納容器圧力抑制のために妥当なものであることを明らかにした。
石田 紀久; 入尾 敏明*; 手島 登*
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(8), p.771 - 782, 1997/08
被引用回数:17 パーセンタイル:77.48(Nuclear Science & Technology)本論文は、舶用炉の再循環型蒸気発生器を模擬した小規模の実験装置に加速度変動を付加した実験に関するものである。実験は、二相流を含む流動特性に及ぼすヒービング(船体運動の一つ:垂直方向加速度変化)の影響を把握するために行った。実験により、ヒービングに対する循環流量、ボイド率及びダウンカマーの応答を調べた。ヒービングによるこれらの変動の大きさは、加速度変動に比例している。循環流量の応答関数は一次遅れより高次遅れ関数である。蒸気発生器二次側流路の流動抵抗、蒸発器二次側の流路面積を実験パラメータとし、ヒービングに対する応答への影響を調べた。これから、特に蒸発器下流の流動抵抗はヒービング時変動の振幅が拡大されることが示された。
井上 彰一郎
原子力年鑑'97, p.207 - 219, 1997/00
原子力船「むつ」の研究開発は、国の基本計画等に基づき日本原子力研究所において実施した。「むつ」の実験航海は、平成3年2月から12月にかけて実施し、原子力を動力とした船舶の実現性を実証するとともに、原子力の優位性を数々証明した。その後、引続き行った解役工事では、原子炉一括撤去方式を採用し、平成7年6月に船舶としての解役を無事終了させた。原子炉室は、むつ事業所内の保管建屋に安全に保管展示し、一般の見学に供している。改良舶用炉の研究開発については、「むつ」の成果を生かしつつ、小型で計量かつ経済性にも優れた舶用炉の開発を目指し、大型船舶用原子炉(MRX)及び深海船用原子炉(DRX)の工学設計研究を受動的安全システムを採用した一体型原子炉として、新しい要素技術の開発を行うための実験解析研究等を行いつつ実施している。
松尾 龍介
港湾, 72(812), 42 Pages, 1995/08
原子力船「むつ」の原子炉室の一括撤去、移送作業が6月22日に無事完了した。「むつ」は原子力船として、貴重なデータを蓄積し、国産技術による原子力船の諸性能を実証し、今後の新型舶用炉の研究開発等に活用されている。「むつ」の船体は海洋科学技術センターに渡され、大型海洋観測研究船として地球規模の海洋研究に活躍する予定である。原子炉を収納した保管建屋は7年度末完工予定また8年度中にはむつ科学技術館(仮称)として開館し一般公開される。6月30日には「むつの任務完了と再出発を祝う会」が催され、これまでの「むつ」の活躍に感謝するとともに今後の活躍に対する期待が寄せられた。
京谷 正彦; 橋立 晃司*; 落合 政昭
JAERI-Data/Code 95-003, 49 Pages, 1995/03
原子力船「むつ」の実験航海等において、操船、波浪等による船体運動、負荷変動等が原子炉プラントに及ぼす影響に関する実験データを取得した。また、建造、運航等の「むつ」研究開発の各段階において、原子力船開発に関する技術、知見等が蓄積された。これらは、我が国初の原子力船の実船実験データ及び設計、建造、運航等の経験の集積であり、当面、我が国では原子力船建造計画がないことから、「むつ」の成果を整理、保存し、舶用炉の改良研究等に有効に活用することが重要である。そのため、改良舶用炉設計研究への「むつ」の成果の反映を効率的に行うことを図り、平成3年度より、原子力船データベースの開発・整備を実施している。実験データベースは既に供用を開始しており、その概要について報告する。なお、文書データベースについては現在、開発・整備中である。
佐藤 和男*
日本造船学会誌, 0(782), p.6 - 10, 1994/08
舶用原子力に特に関心を持っていない読者(主に、造船・海運関係者)を対象に、舶用動力としてみた原子力の持つ可能性について解説したものである。原子力は在来舶用機関に比べて、大出力で連続長時間航行が可能、水中での使用に有利、CO・SOx・NOxを排出しない等の特長を持つ。海運や海洋開発の高度化のニーズの中で、これらの特長を有する原子力の利用範囲は広がると予想される。代表的な使用対象として、コンテナ船、超高速コンテナ船、極地観測船、深海調査船を、その他の舶用炉の利用方法として、プラントバージ、水中動力ステーションを例示した。このようなニーズに応えるため原研で概念設計を進めている新型舶用炉MRX及びDRXを紹介した。また、原子力船及び舶用炉が実用化されるために、今後どのような課題があるかについても言及した。
落合 政昭; 京谷 正彦; 高橋 照雄*; 楠 剛
11 Annual Simulators Conf., Simulation Series,Vol. 26,No. 3, 0, p.454 - 459, 1994/00
原子力船エンジニアリング・シミュレーションシステムは、第1期計画として原子力船「むつ」を対象としたシミュレータとして開発してきたが、その開発は完了し、「むつ」の実験データにより、そのシミュレーション性能は十分であることを確認した。すなわち、本シミュレータの基本計等モデルの妥当性が証明された。今後は、第2期計画として、改良型舶用炉MRXを対象としたモデルの開発をすすめる。特に、設計支援ツールであることから、プラント構成の変更を容易に行えるようグラフィック入力システムについても開発する。発表に当たっては、設計支援ツールとしてのシミュレータの活用方法に重点を置くこととする。
黒沢 昭*; 秋野 詔夫; 大辻 友雄*; 木津 真一*; 小林 克雄*; 岩堀 宏治*; 武田 哲明; 伊藤 泰義*
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(2), p.131 - 142, 1993/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本論文は、新型舶用炉の炉心圧力容器と格納容器との間に満たされた遮蔽水の熱流動挙動の解明を目的とするものである。格納容器を模擬するアクリル製の矩形容器内にヒータとクーラを設け、液晶懸濁法により熱流動現象を可視化観察すると共に、数値シミュレーションによる予測を行った。実験の結果、自然対流と自然循環流が共存するような熱流動現象は、初期温度・加熱冷却過程及びヒータとクーラとの間に設けたバッフル板の有無等の影響を敏感に受けることが明らかとなった。また数値シミュレーションによって実験結果を再現するためには、境界条件や加熱冷却過程の方法等の工夫が必要であることを示した。さらにこの種の共存対流における基本的な挙動を明らかにすると共に、数値シミュレーションによる予測の可能性と使用方法の重要性を指摘した。
迫 淳; 小林 日出男*; 飯田 浩正; 山路 昭雄
原子力工業, 38(4), p.55 - 60, 1992/04
改良舶用炉MRX(Marine Reactor X:砕氷船用原子炉)の設計を改良することを目的とし、遮蔽設計の見直しを行うとともに、炉構造設計、保守計画の合理化を図った。また検討中の開発方策について詳述する。
辻 栄一*
日本造船学会誌, 0(734), p.511 - 521, 1990/08
原子力船「むつ」は本年秋からいよいよ1年間にわたる実験航海に入る。日本原子力研究所ではこの「むつ」による舶用炉の研究開発と並行して、将来の魅力的な舶用炉の実現を目指して舶用炉の改良研究を進めている。原子炉は、長期間燃料補給なしに運転出来る。燃焼に酸素が不要という。化石燃料では得られない特長をもっている。現在、近未来の実用化を目指した砕氷船と深海調査船を対象とした舶用炉の研究開発を進めている。すなわち、原子炉プラントの設計研究と設計に特有な主要コンポーネントの開発である。さらに、海洋/船体/原子炉を一体としてプラント特性を把握するための原子力船エンジニアリングシミュレータの開発を進めている。「むつ」による各種試験のデータはシミュレータに供給され、改良舶用炉の研究開発に活用される計画である。
鍋島 邦彦; 楠 剛; 島崎 潤也; 篠原 慶邦
JAERI-M 90-040, 117 Pages, 1990/03
舶用炉では、陸上炉以上に急速な大幅負荷変動に対しても安定かつ安全で、しかも追従性の良い運転特性が要求される。また、発生した蒸気動力をタービンで直接駆動動力に変換するため原子力船独特の二次系をもっている。そこで、PWRプラント用の一次系に船特有の二次系を接続した動特性解析コードを開発し、それを用いて原子力船「むつ」プラントの動特性シミュレーションを行なった。